SNOW Freaks * magazine

SNOW Life vol.6
浅川 誠

Makoto Asakawa

北海道・旭川市。
日本で一番の寒さとなる「-41℃」を観測した極寒の街に、スキーに熱き情熱を注ぐスキーヤーがいます。

浅川 誠　｜　Makoto Asakawa

旭川市に生まれ育ち、少年期からアルペンスキーに没頭。その後、一時期スキーから離れるも、25歳の時に再び雪山へ。旭岳や十勝岳などの山岳エリアでのビッグマウンテンスキーはもちろん、旭川近郊にあるカムイスキーリンクスや比布スキー場などでのゲレンデスキーも大好きな浅川誠さん。数々のスキー誌やムービーにも出演する日本を代表するスキーヤーです。

SNOW Life vol.6 では、浅川誠さんに10問のQuestion。
その答えは、スキーヤー必見です。

【Q１】
浅川さんが、スキーをはじめたきっかけは何ですか？

【A１】
３歳の頃、サンバレースキー場に連れられて滑ったのが始まり。
当時ヘルメット被って滑ってる子が珍しくて、滑ってると「ヘルメット坊やー！」って声援が飛んでさ、あまりの話題に新聞に載ったんだよね（笑）

何にも教えてもらってないのに、どんどん滑れてさ、それを見た親父が姉にスキーを教えるの辞めて、俺にスキーを教え始めたんだ。 本当なら姉にスキー、俺にピアノを教えるつもりだったみたいだから、滑れてよかったよ（笑）

そして、旭川ジュニアアルペンチームに入団してレーサーを目指したんだ。

【Q２】
アルペン、ゲレンデ、バックカントリーなど、スキーの楽しみ方は様々ですが、浅川さんの現在のお気に入りは？

【A２】
ジャンル問わず好きなんだ。全て含めてスキーだと思ってる。滑る事がお気に入り。俺はどうなっても滑り続けるんだ。滑ってる俺がお気に入りなのかもね（笑）

【Q３】
圧雪、パウダー、アイスバーン、コブなど様々な雪面状況の中で、浅川さんの気持ちが最も高揚するコンディションは？

【A３】
ん～、難しい。雪の上に立っていれば全部テンションが上がりますね（笑）

【Q４】
スキー場を目指して運転している時、どんなことを思い描いていますか？

【A４】
その日滑る自分のターンとかフォーム。どんな風に雪を舞い上げるのか。ゲレンデを滑るんだったら、どういう滑りをするのか。
1日1日、常に目標を持って滑るように心がけています。

朝起きて、寝るまで一つの事（スキー）を考えてるヤツに、この質問は答えにくい（笑）
逆に何にも考えてないよ！ってほうがいいかもね（笑）

【Q５】
浅川さんが愛する、北海道・旭川エリアの魅力とは？

【A５】
旭川の魅力は、スキーをするエリアと街。スキーと生活が密接に繋がっているというか...。とにかく、生活が近い！スキーに行っているんだけど生活が近いのが一番の魅力。

俺は旭川に生まれて旭川で育った。旭川でスキーを始め、旭川でスキーから10年間離れ、旭川でスキーを再開したんだ。 いいも悪いも俺を育てた土地なんだ。

だから、これからもこの土地で誇らしくスキー人生を過ごしていくよ。

【Q６】
北海道では、例年11月～5月まで、1年の半分以上スキーを滑ることが出来ます。初滑り、トップシーズン、春スキー。その時期ならではの魅力と楽しみを教えてください。

【A６】
とにかく全部好きなんだけど、初滑りシーズンはフレッシュな雪が降るので良い雪に出会うことが多い。トップシーズンはトップシーズンで、身体が出来上がってきて思いっきり滑ることが出来る。春スキーでは溶けゆく雪を思いながら滑ることが出来ることが魅力であり、楽しみかな。

【Q７】
スキー場での乗り物で一番好きなものは？

【A７】
乗り物！？（笑）
比布スキー場の上のシングルリフト（笑）

自宅にはシングルリフトを改造した椅子もあるし、ペアリフトの搬器も２台あるよ（笑）

【Q７'】
そういえば、浅川さんスノーモービルとかもお好きですよね？

【Q７’】
はい、スノーモービルも好きです。圧雪車も好きです。ゴンドラも好きだし、スキー場にあるもの全てが好き！

【Q８】
浅川さんの滑りを生み出す、スキー板、スキーブーツ、スキーウェアについて、こだわっている機能や性能はありますか？

【A８】
難しいね～。こだわっている機能や性能かぁ...。

ウェアはphenix、板はvector glide、ブーツはomnisでこの先変わる予定は無いよ。

phenixは初めて契約したブランドで、幼少期のYAMAHAチーム時代から着ていたブランドなんだ。 10年ブランクがあったけど…初めての契約でどこのメーカーかも聞かないで待ち合わせ場所に行ったらphenixだったんだよね（笑） 普通どこのブランドですか？って聞くよね（笑） なんか運命感じて、それからずーっとだね。

vector glideは俺にとって身体の一部みたいなもんなんだ。 vector glideに出会わなかったら、今の自分は無いよ…きっと。 滑ることの繊細さや、道具への拘り、同じ志向の仲間、熱い思い、どれを取っても俺のスキーに対しての思いと合ってるんだ。 例え契約が無くなっても、俺はvector glideを使い続けるよ。

ブーツもvector glideの板を操作するのに最適なんだよね。

【Q９】
これからのスキー人生の目標は？

【A９】
ん～、このまんま（笑）　まさに、このまんま。
どっちかっていうと、スキーヤー浅川誠じゃなくて、浅川誠はスキーヤー。
プロスキーヤー浅川誠じゃなくて、浅川誠はプロスキーヤーっていう風なスキー人生を送りたい。

いよいよ、最後の質問です。

【Q10】
ふわふわの雪が降り積もった或る日。真っ白な雪面へと車を走らせて、目的の斜面に到着。スキーウェアを纏い、誰もいない斜面に自分だけのシュプールを描きます。さて、浅川さんが最も幸せに感じる瞬間は？

【A10】
滑ったあと。あと！滑ったあと（笑）滑り終えた時。滑り終えた時に...。

まずね、あの～、滑り始める時に自分のイメージが先行するんだけど、滑るラインだったり、自分の滑るイメージを完全に作ってから滑り出すんだよね。 んで、その完全に作りあげた滑っていく影（イメージ）が本人より先を滑るんですよ。だから、影が先に滑っていったあとを追うように滑っていくんだけどね、本人が。 んで、３ターン目か４ターン目くらいで追いつくんすよ、イメージに。そんで、そっからは先行したイメージと一体になって、更にはアレンジして滑って行って、抜いちゃうの。 そっからは、イメージよりアドリブで滑っていって、フルパワーで、フルスピードで滑る。止まって振り向いたら、自分のシュプールの上を自分のイメージが後を追って滑ってきて自分に入る、みたいな。
それで終わるんです、１本の滑りが。だから、イメージするっていうのは、すごい大事なんだよ。

― Questionは、以上で終了です。浅川さん、ご協力いただき、ありがとうございました！

さて、浅川誠さんのオフシーズンの活動と言えば...

自転車で北の大地の爽やかな風を切る、『アサカワサイクル』。
旭川市内はもちろん、近郊の東川町、美瑛町など美しい風景の中を、のんびりとマウンテンバイクでサイクリングするツアーを主宰。

基本的に参加者の皆さんと楽しくサイクリングすることがテーマなので、自転車にさえ乗れれば、どなたでも気軽に参加可能な企画となっています。自転車ならではの発見や楽しさを、浅川誠さんが教えてくれます。皆様ぜひご参加ください。

SNOW Life vol.6　｜　浅川 誠