井山 敬介
-Keisuke Iyama-
スキーをやっていて良かったことは?
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今シーズンは富良野スキー場のロープウェー降り場から、下までノンストップで滑ったし、ナイターもけっこう行ったし、いやぁ今年は滑ったわ」と、父がうれしそうで、これ以上ないぐらい勝ち誇った顔で話してくれた。
父は本当にスキーが好きなんだと、僕はうれしい気持ちでいっぱいになった。もしかしたら、父は僕以上にスキーを楽しんでいるかもしれない。
シーズン終了間際の4月下旬、僕はツイッターで自分のフォロワーさんに『スキー・スノーボードをやっていて良かったこと、そして雪国に住んでいて良かったことは何ですか?』と聞いてみた。
すると、わずか数時間の間でたくさんの方が僕のつぶやきに答えてくれた。それは読んでいるだけでハッピーになれるものだったので、今回できるかぎり紹介したいと思う。
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『スキーを始めてから、中学校の不登校や高校中退で腐っていた気持ちを乗り越えて、チャレンジ精神を持てた。
転んだぶんだけうまくなるって思えば、たかが一度の転倒が(スキー以外でも)気にならなくなりました(笑)。というわけで、大学受験に挑戦中です!』。
『自然と笑顔と友達が増えたこと』。
『大学で基礎スキーをやったおかげでダンナと出会いました。今は家族3人で楽しんでいます』。
『5年前に札幌に来た年に雪山に感激して、4年前に39歳で生まれて初めてスキー板を履き、そのシーズンに羊蹄山をハイクアップして滑りました。岩登りとスキーのお陰で北海道にたくさん友達ができました』。
『滑っているときは、日常での嫌なことや仕事のことをすっかり忘れられる! 私にとって最大のストレス解消です。うまく滑れなくてストレスがたまることもありますが……スキーによって心の健康が保たれています』。
『滋賀県のスキーヤーです。スキーはずっと成長できる! 30代を越えても、40歳に「今なってもまだまだ上達できる! 考えてやればうまくなる! この考え方は、仕事にもすごく役に立っています』。
『スキーやスノーボードしてると、皆で笑顔になれるし、いろいろなところで人とつながれる。雪国では雪が生活の一部だから、すぐにどこでも滑れる。きれいで軽い雪があること』。
『いつの間にか息子たちからアドバイスをもらう側に、悔しいけどそんな成長がうれしいのも事実。雪やスキーのお陰でこのような幸せをたくさん感じてます。冬のわが家は話題にこと欠きません』。
『今の人生を心底気に入っているのは、スキーのおかげ』。
『40歳近くになっても大会に挑戦し続けられること。すばらしい仲間にめぐり合えること。夢中になれること』。
『関西在住ですが、1年間をスキー中心に考える生活になっています。スキーのできるわずかな期間を大切にし、衣食住すべてがスキーのためです。そこで出会うすべての人と白い世界を共有できることに感謝しています』。
『夏はヤブで入れない森が雪が積もることで逢える風景、どこまでも蒼い真冬の空、日常では出逢えない仲間と共感し合えること。ウチはろう者だけど、言葉を超えて聴者と喜びを分かち合えるとき、スキーやってよかった、とホント思います』。
『たくさんの仲間ができたこと、素敵な出会いがあったこと、すばらしい経験ができたこと。こんな私でも努力すれば結果がともなうということをスキーから学びました。神さまがくれた雪山に感謝です♪ だから今度はスキー業界を盛り上げなきゃ』。
『家族で楽しめること』。
『主人に出会えたこと、何歳になっても家族で一丸となって打ち込める共通の趣味ができたこと、いろいろなバックグラウンドを持つスキー友達ができたこと、そしてやはり、プロスキーヤーの井山さんに出会えたことです!』。
『澄み切った青空の下、頂上でスキー板にもたれて太陽に照らされながらビールを飲むことがこの上ない幸せ~!』。
『ぶっ飛びそうなくらい楽しい気持ち、仕事も手につかなくなるくらい悔しい気持ちを共有できる仲間がたくさんいることです』。
『スキーは重力に逆らわないスポーツだから年齢を問わずに楽しめます♪ ここ数年来オフピステを滑り、自然と一体化する楽しさを知りました。さらに今年はシールをつけて歩くのも体験。64歳の私でもどんどん世界が広がっていきます。これもスキーを続けていたからこそです!』。
『仲間、爽快感、自然……うーん、良かったことが多すぎて、うまい答えが見つかりません。さらなる楽しさをいつか教えてください』。
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まだまだたくさんのつぶやきをいただいていたが、今回は文字数の関係ですべて紹介することができないのが悔しい。
ここで質問です。
皆さんにとってスキーをやっていて良かったことは何ですか?
考えるだけでハッピーになれる不思議なチカラ。さて、あらためて僕も考えてみよう。
● 記事提供=月刊スキージャーナル(2011年7月号掲載)
PROFILE
井山 敬介 -Keisuke Iyama-
1978年 北海道富良野市生まれ
幼少の頃から地元・富良野の雪に戯れて育つ。アルペンレーサーとして早くから頭角を現わし、札幌第一高校時代にはナショナルチームに所属、ワールドカップに出場するなど、数々の実績を残す。
2000年から技術選に参戦。毎年着実に順位を上げ、2007年はみごとに初優勝、そして2008年には連覇。2014年に3度目の優勝を飾る。
現在も技術選でトップ争いを繰り広げるほか、子供たちへの『雪育』活動にも尽力。スキー界の振興に向けて、第一線で活躍を続けている。
全日本ナショナルデモンストレーター、ばんけいスキー学校所属
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